多くの音楽家たちから敬愛を集める知性派ブラジル音楽のマエストロ、ゼー・ミゲル・ヴィズニキ。昨年特に評判となった2枚組名作
「Indivisivel」のレパートリーから"Os Ilheus"をはじめとする流麗な佳曲の数々を、そしてかつてのアルバム・タイトル曲”Sao Paulo Rio"などなど、ことばを慈しみ唄うシンガー - セルソ・シンとクラシック出身のギタリスト - アルトゥール・ネストロフスキーのデュオによる傑作「
Pra Que Chorar」(biscoito fino よりリイシューされました)、そのアルバムの雰囲気をそのままショーにしたパート、そして孤高の哲学的エッセンスを振りまくS.S.W.ルイス・タチは自身のアルバム「Rodopio」に収録されているヴィズニキとの共作曲"Trio de efeitos" を唄い分けのデュオで披露したり、またはギターの弾き唄いで演奏したり。そして
トゥリッパの日本ツアーでも器用なマルチ・プレイヤーぶりを存分に発揮していたマルシオ・アランチスが「Indivisivel」と同様にeベースにて、コントラバスにて参加。鍵盤にアコーディオンにと同じく演奏メンバーであるマルセロ・ジェネシはSSWとしての自身のアルバム
「Feito Pra Acabar」にも収録した"Por que nos?" を歌い弾くシーンもあり、タチ、ヴィズニキ、ネストロフスキー、サンパウロを拠点に活動する3人の熟年を迎えた知性派音楽家のリリカルでどこか欧州の香りも漂わせた洒脱な表現と、次世代ブラジルの音楽家たちが編成を変えながら交錯しアーティスティックなショーを仕立ててゆくという素晴らしく充実した内容の作品。家宝ものです。全23曲。