「歌があり、瞬間がある/声は足元から湧き上がる」二人の巨匠、フェルナンド・ブランチとミルトン・ナシメントによる詩の一節で、私たちは本作「etymon」の到着を発表します。ーアルフレド・リマ(作家/教師)
序文で引用される詩人フェルナンド・ブランチと音楽家ミルトン・ナシメントの生地、ミナス・ジェライス州出身で、バルバセアにあるミルトンの愛称を冠したジェニアル・エスコーラ・ビトゥーカで音楽の素養を身につけた、サックス奏者のマルクス・ヴィニシウス・ヂ・ソウザの二作目、2019年発表。タヴィーニョ・モウラの作品に参加しているギター奏者ベト・ロペスや、フィリーピ・コンチネンチーノ(drs)、ブルーノ・ヴェローゾ(b)といったミナスのジャズ・マンたちと、洗練、爽快を感じさせるコンテンポラリーなタッチのサンバ・ジャズを繰り広げます。インスト・メインで10の楽曲と、音楽にインスパイアされた10の抒情詩を掲載した詩集をセットにしたという珍しい商品形態。曲名通りにモダンなボサ・ノヴァとなっている"Um sopro de bossa"と、"Tempo para contemplar"にはチャーミングな声を持った女性シンガー、バルバラ・バルセロスが参加し、詩作を音に乗せ歌い上げています。ヴィニシウス・ヂ・モライスの諸作を彷彿とさせるポエトリー・リーディング+ボサ・ノヴァという"Sorriso"もあり、ブラジル音楽の詩的な側面を足元から見つめた、新鮮で素晴らしい音楽が詰まった好盤。