笛吹師匠と女性たち、ブラジル北東部音楽の伝統を今に継ぐ華やかなグループ
6月にご紹介せねばと思っていたタイトルです。ブラジル各地では6月に北東部音楽が鳴り響く収穫祭的なフェスタ・ジュニーナスが催されますので、まさしく季節の音楽がこの一枚。幼少のころから65年にわたり横笛を自作して演奏・作曲していたというペルナンブーコ出身のメストリ・ゼー・ド・ピーフェ。彼が農夫の息子として生まれ、またのち建設業で働いているなかでブラジリアに定着し、横笛のピーフェ(ピファーノ)のワークショップを開いて伝統音楽を教えることに情熱を注いできました。2007年、ワークショップに通う女性たちで結成したのがこのアス・ジュヴェリーナス。このプロジェクトの10周年を記念してドネーションを開始し、晴れてCDというフィジカル作品になったのが、この「Talo de Jerimum」。メストリのピーフェをフィーチャーしたインストに、女性コーラスのエンボラーダ(掛け合い)、ザブンバなどの打楽器とハヴェッカ(北東部のヴァイオリン)、アコーディオンとのフォホー・アンサンブル。民間伝承曲から、作曲も多く手がけるメストリの自作、そして女性メンバーのペンによる作品、アルバムのディレクションやアレンジで貢献するダニエル・ピタンガをフィーチャーしたm-12"Casa de Pedra"まで様々な彩りを持った現代の北東部音楽アルバム。
世界を旅する映像プロジェクト、ソファーでも取り上げられています。