クールでインテリジェントなルーツ音楽。自作楽器で知られるミナスの音楽家が内陸部の口頭伝承労働歌を洗練された形にリノベイト。
自作楽器による創意工夫のアンサンブルが売りのグルーポ・ウアクチ、そして女性vo イレーニ・ベルタキーニとのデュオ、マリンバをフィーチャーしたソロ、とコンテンポラリーなミナス音楽で話題を発信するレアンドロ・セーザル(g, marimba)。ミナス・ジェライス連邦大学出身の女性シンガー、レティシアとマルセラふたりのハーモニーとスキャット。写真を見ると北東部のヴァイオリン-ハベッカというよりチェロやヴィオラ・ヂ・アルコのように見える弦、ビリンバウも含むパーカッション類という一風変わった編成にて、ミナス・ジェライス内陸部に口頭伝承で伝わる労働歌を採取、これらを現代的にソフィスティケイトされた解釈で体現するのがこのイルミアーラ。唯一発表されている2015年発表の本CD作品では、曲ごとにクリストフ・シウヴァやハファエル・マルチニがアレンジャーとして参加、現代のミナス音楽の透き通った音像や、瑞々しさという魅力をそのアンサンブルに吹き込んで、フレッシュに聴かせてくれています。マラカトゥの有名曲m-4"Canto das Lavadeiras"やm-11"Senhora Santana"にインテリジェントな空気を醸し出すサンバやフォーキー・アンサンブル、特にマリンバとポリフォニー、ハベッカが幻想的な景色を描き出すアルバム中盤のm-5"Toadas de Remeiros"、m-6"Canto do Tropeiro"、m-7"Das Pedras"の流れは必聴。