現地音楽ジャーナリスト選考のベスト・ディスク2023に選ばれたエルネスト・ホドスのソロ・ピアノ作
1973年7月ロサリオの生まれ。ジャズ・ピアノ奏者エルネスト・ホドスは、若き頃に米国ボストンのバークリー音楽院から奨学金を獲得し留学していた経験を持ちます。今までに20もの自身のリーダー作、40を超える客演を発表し、名実ともに知れ渡るジャズ音楽家となったホドス。本作は、ブエノス・アイレスに在るボルヘス文化センターでのソロ・ピアノ・コンサートの依頼から、それを作品として録音することを着想、ライブ盤とは思えぬ高潔さと繊細さに満ち溢れた作品となっています。家で毎日ピアノに向かわぬことはない、というホドスがレパートリーとして選んだのは、自らが敬愛する敬愛する音楽家たちの楽曲。オーネット・コールマン"Round Trip"、セロニアス・モンク"Monk's mood / Off Minor"~バド・パウエル"I'll keep loving you/ Oblivion"のメドレー、初めて解釈するというチャーリー・ヘイデン"For Turiya"、旧知のアルゼンチン人音楽家エンリケ・ノリス"Gotas arritmicas"。これら自らが弾きたいという欲求に駆られる魅力的な楽曲達を、左手のオスティナート(執拗反復)で繋いだり組み合わせたり、また鮮やかな即興演奏を交えながら親密にプレイ。自身のペンによる3つの楽曲と交えながらの構成は、美しい整合性が取れています。ジャケット写真は、演奏のために旅するロサリオ〜ブエノス・アイレス間の車窓がモチーフ。*尚、アルバムでは拍手はカットされています。