2024/9/24 再入荷しました。
世にも不思議なダクソフォン。かつてアルゼンチン音響派、或いはブラジル新世代+2プロジェクト辺りを愛聴されてきた方に気付いてほしい一枚。
日本のみならず、世界を舞台に活躍する前衛ギター奏者、内橋和久さんに師事しダクソフォンなる楽器の習得に努めてきた響子さん。80年代にドイツの音楽家ハンス・ライヒェルによって開発されたこの楽器は、象形文字を思わせる形状にカットされ、磨かれた木片を
コントラバスのアルコ(弓)で擦るというもの。音楽劇・挫波敦賀「未練の幽霊と怪物」(第72回読売文学賞受賞作品) の劇伴でも用いられたこの楽器、ダクソフォンのDaxはドイツ語でアナグマを意味するそう。初めて聞いた時は声のサンプリングかと思ってしまったのですが、この妖精とも獣とも中年男性とも取れる不思議な"声"とループするリズムに幻想的な残響を組み合わせ、独特の音世界を繰り広げる本アルバム。ダクソフォンとエレクトロで木トロニカ。NARCOの音楽がそうであったように、実験的でありながらどこかトイ・ポップを思わせるキュートなキッチュさも持ち合わせ、やみつきとなってしまいそうです。