*ロマンチックで詩的な慕情を醸し出すことに長けたミナス出身セーザル・ラセルダ、声とギターのレコードを発表!
CÉSAR LACERDA / DÉCADA
ジョアン・ジルベルトをはじめ、ギター1台を爪弾き歌い出すだけで辺りの空気を一変させ、自身の表現の世界に惹き込むことのできる稀有なシンガー・ソングライターたちがこの世には存在しています。現地専門誌・メディアで2010年代に登場した注目すべきソングライターとして数えられるこのセーザル・ラセルダもそのひとり。1987年ミナス・ジェライス州ヂアマンチーナ出身で現在はサンパウロを拠点とするS.S.W.。2013年に1stアルバムをリリースして以来のキャリア10周年を祝う本作は、シンガーのフィリッピ・カットーが起案したプロジェクトで、ガル・コスタやマリア・ベターニアが歌ってセーザルのキャリアを大きく飛躍させたm-4"Minha Mãe"(ジョルジ・マウチネルとの共作)、ルイス・ガブリエル・ロペスやルイザ・ブリーナらミナス連邦大学勢と共作、L.G.ロペスのソロ作のタイトルにもなったm-5"O Fazer de Rios"、ボサ・カリオカ・スタイルのm-11"Espiral"は共作者のセウマールがアルバムで収録、と13曲中6曲が他のアーチストに提供した楽曲のセルフ・カヴァー。傑作「Tudo Tudo Tudo」に収録のm-2“Isso Também Vai Passar”やホムロ・フローエスとの共演作「O meu nome é qualquer um」に収録のm-8"Faz Parar"、「Paralelos & Infinitos」に収録のm-9"Touro Indomável"など自身のアルバムに収録された佳曲も、声とギターのみのヴァージョンで再解釈。パートナーのヴィクトリアと敬愛する詩人のレオナルド.フローエスに捧げたm-7"O Amor Fincou Raizes Por Aqui"など、気候変動や紛争で揺れ動く世界に光の筋を与えんと書かれた新曲も2曲。ひとつの楽器、ひとりの声、で作り上げた作品だからか、統一感があり、とてもコンセプチュアル。部屋の空気を柔らかくしてくれる極上の一枚です。2024年3月現在、LPとデジタルのみでのリリースとなっています。