ドイツに音楽留学中のマリア・ポルトガル(クアルタベー, ex.TP4など)から、2022年10月現在会期中の東京国際映画祭にて上映される作品「1976」(マヌエラ・マルテッリ監督)でサウンドトラックを担当しているとのニュースを得ました。トレーラーを観ましたが、FRUEフェスティヴァルでの来日も果たしたクアルタベーの実験的な解釈や、音階を持った打楽器(ヴィブラフォンなど)もこなす彼女らしく、エクスペリメンタルで臨場感を掻き立てる効果的な音響が施されていました。
そのマリア・ポルトガルの在籍したサンパウロ発のカヴァー・ポップ・バンド、TP4 (trash pour quatro) 、大洋レコードで2枚国内盤をリリースしています。前回店に寄ってくれた時に「TP4の3枚のなかで一番好き」と語っていたのが最終作「SOMETHING STUPID」(2009)。前述の通り、マリア・ポルトガル(drs) 、ジョアナ・ケイロス(cl) 、マリア・ベラルド(cl)、シカォン(key)のクアルタベーではモアシール・サントスやドリヴァル・カイミを前衛的に解釈していますが、このTP4の時代はポップ・サイドとでもいうべき快活でちょっと捻った表現。ギターのグスタヴォ・ルイスはインディー出身のスター歌手となった実姉トゥリッパ・ルイスのプロデュースを始め、この世代のクリエイターとして屈指の評価を得ています。鍵盤のドゥドゥ・ツダは2枚のソロ・アルバムを発表し、サウンド・インスタレーションの展示などで活動。ヴォーカル、ベースのナタリア・マロはガト・ネグロというタンゴ・プロジェクトのほか、ソロやフードと音楽を繋ぐイベント主宰でも活躍。思えば彼らと出会ってから10数年経っていますが、いまでも豊橋のブラジル・フェス出演の前後、路上で皆でやった線香花火は大切な思い出です。というわけで、今回は「SOMETHING STUPID」を特別価格にてご提供させていただきます。
TP4 (trash pour quatro) / SOMETHING STUPID (大洋レコード 2,515円税込 → 特別価格 1,870円)
タイトル・トラックのシナトラから、ビートルズ"If I Fell"、イーディ・ゴーメにカエターノ.... 6つに及ぶ言語で歌われる楽曲たち。サンパウロのミュージシャンらしい洗練と、インディー・ロックの衝動、渋谷系に通じる音選びのセンス、そして音を楽しむユーモア。m-7の日本語歌詞"Cleaning"は、僭越ながら大洋レコード伊藤の作詞作曲になります。
ゲスト参加:ジョン・ウリョア(パト・フ)ag / m-5, cho / m10 、チアゴ・ブラガ(lab, フェルナンダ・タカイ・ソロ) cho / m-10、クラウヂオ・ファリア tp / m-6
1.BABALU
2.CI RIPROVA LA BOSSA NOVA
3.IF I FELL
4.MINHA MULHER
5.SOMETHING STUPID
6.IF I WERE A RICH MAN
7.クリーニング
8.VOIX LA PRINCIPAL
9.MANHA SEGUINTE
10.DELIRIO,MEU