日本人女性音楽家による自然と調和したコンテンポラリー・ソロ・ピアノ作
c.o.d.a.なるプロジェクト名は、音楽記号のコーダと自身の名前から。4歳からクラシック・ピアノをはじめ、高校・大学はピアノ科を専攻。マリー・シェーファーのサウンドスケープ論から自然環境の中に響く音に興味を覚え、のちにジャズ・ピアノ奏者平戸祐介に師事を受けます。すべてオリジナル・コンポーズとなる楽曲は、緑の葉から雨の雫が滴る風景を思い起こさせるように穏やかなハーモニーから、エギベルト・ジスモンチやエルメート・パスコアルを彷彿とさせる躍動するリズム解釈も顔を覗かせます。時には大自然の神秘をオマージュしたようなスキャットを交え、物語を語るように展開を見せながら、アルゼンチンのコンテンポラリー・フォルクローレのように自然と調和する、透明感溢れるヴォイシングもふんだんに盛り込まれており、大切にじっくりと紡がれた作品であるということが伝わってきます。5篇の物語性に富んだインストゥルメンタル・ミュージックと折形の様式で作られたブックレット。ぜひ手に取ってみてください。