2023/8/10 4年ぶりに再入荷しました。
10年以上前、まだクワイエットな音楽の概念が定着するより以前、7カ国からカルロス・アギーレなど音楽家を招聘して「America Contemporanea」を制作したのがブラジルを代表するジャズ・ピアノ奏者のベンジャミン・タウブキン。近年でもコロンビアの木管奏者アントニア・アルネドとのアルバムや、韓国の伝統音楽とのコラボレーションなど音楽の架け橋とならんとする姿勢が多くの敬愛を集めるのですが、ここにきて音楽的にも充実した架け橋決定版とでもいうべき作品が完成しました。
10年ほど前、テル・アヴィヴの街で行われたワールド・ミュージック/ジャズ・フェスティヴァルで出会ったイスラエルの打楽器奏者イタマール・ドアリ。当時20歳前後だった若きミュージシャンと、ベンジャミン、そしてその息子のジョアン・タウブキン(b)は、その後共演を重ねることになるのですが、ここにそのセッションが作品として結実しました。ベンジャミン親子の鮮やかなジャズ・サンバのヴォイシングとダルブッカなどが醸し出すオリエンタルなリズムが交錯、摩訶不思議ながら理路整然としたアンサンブルを生み出しています。その凄さはモザンビークの女性歌手レンナ・バウレが即興スキャットで、ポーランドのチェロ奏者アニエシュカ・テオドロフスカと共にゲスト参加したm-2"Africa"や、ミルトン・ナシメント作"Cravo e Canela"の洗練された解釈m-4を聴けば一目瞭然。ジョアンとベンジャミン、それぞれのコンポージングも冴え渡っています。最終曲m-6"Amanheceu e Sophia Dançava"にセルジオ・ヘジ(drs)が参加。
こちらはイヴァン・ヴィレラという別のギター奏者とのヴァージョンですが、ベンジャミンさんの解釈するミルトン曲の参照に。