サンパウロ・エクスペリ・サンバの雄、ホムロ・フローエスの新作はS.S.W.チアゴ・ホーザスとの共作、LPレコードで入荷!
前衛的なファズ・ギター、バリトン・ヴォイス、ネルソン・カヴァキーニョの哀しみのサンバに影響を受けたソング・ライティング。2004年の「Calado」以来、鮮烈な印象を与えるソロ名義作を11作発表。エルザ・ソアレス、晩年のキャリアに花を添えたプロデューサーとしても高い評価を得るホムロ・フローエス。リオのS.S.W.で2000年に「Crenças e Tramas」というソロ作を発表しているチアゴ・ホーザスとのタッグで発表された新作は、以前ミナス出身のS.S.W.セーザル・ラセルダと共演した「o meu nome é qualquer um」と同様、互いの持ち味を引き出しつつ、ケミカルな作用を期待した作品になります。ホワイト・ソウルの色を醸し出したロックという印象の音楽性なチアゴ・ホーザスとの初共作となる本アルバムでは、ロックの方へ振り幅は揺れています。ギリェルミ・エルヂによるオブスキュアなegの戦慄き、パッソ・トルトの同僚マルセロ・カブラルのbとふたりのホムロと近しいミュージシャン、そしてdrsにはチアゴと共演しているルーカス・フィシェルが参加。コロナ・パンデミックの余波残るなか、一同に介して制作が始められた本作は、検疫の閉鎖的な空気感やそれに対する憤りがギターのノイズに籠められ、政治的問題に対する文学的なアンチテーゼを含んだ言葉の応酬といい、社会に問いを投げかけるというかつてのロックが果たす役割を現代に担っている作品と云えます。混沌が奥底から迫り上がってくるA-1"Último Osso"に始まり、ミニマムな導入部から、シコ・ブアルキ"Geni e Zepelim"の歌詞をオマージュしたヴァースを声高に歌うA-3"Tempo Morto"、これぞエクスペリ・サンバというムードのA-4"Voz Refém"や、刹那の明るさをもったB-1"O Amor por Um Triz"、緊迫したリフにことばが急き立てられる1stシングル B-8"Um por Um"まで、アヴァンギャルドなモードから、ポストロックの陶酔まで、殻を打ち破り続けるソングライターたちの大胆な表現がここにあります。