女性コンポーザーとして、ピアノ奏者として、コントラバスをはじめとするマルチ・インストゥルメンタリスタとして、そしてUnicamp(カンピーナス大学)の講師として音楽活動を行うクリスチアンニ・ネヴィス、パンデミック期に制作した壮大なサウンド・スケープを描くソロ作。
オルケストラ・ハートブレイカーズ、キューバ音楽とブラジル音楽を融合させたハバナ・ブラジルで活動し、近年ではイタリアをはじめとするヨーロッパでの活動も行い、女性シンガー、フェルナンダ・ポルトとのデュオ・ツアーも果たしています。そしてサンパウロを中心にジャズ・シーンで活躍する女性シンガーを13人集めて制作した「RETALHOS DO BRASIL」も記憶に新しい、クリスチアンニ・ネヴィス。このソロ作は直訳すると「ナイト&デイ」となるタイトルを冠しています。ニーナ・シモンに捧げた"Eunice"にはじまり、ヴィブラフォンや鳥の鳴き声を模した発声が入る"Lilith"、深い夜のムードを醸し出す"L'Eclipse"と時には自身のコントラバスや打楽器を多重録音しつつ、深層心理を掘り下げるかのように広がりのある和音構成と、ストーリーを綴るかのような展開で魅せていきます。"Quarentin" (=検疫) と名付けた小曲を挟みながら、明けぬ夜はない、と音に籠められた思いが伝わってくるようなインスト・アルバムとなっています。写真家のタイス・シウヴァが撮影したカヴァー・アートのマスク着用での強い眼差しは、未知のウイルスに対峙するクリスチアンニの決意表明のように感じます。
CD作品自体は亡き実父に捧げられたもの。