2024/11/05 再入荷しました。
チェロと共にバイーア産サンバをチェンバー・タッチに。艶っぽい唄声の持ち主、セルソ・シン
中高域に艶っぽい芯を持ちながら言葉を慈しみ唄う、セルソ・シンの最新作。ギターの名手アルチュール・ネストロフスキーとの詩的で哲学的な声とギターのアルバム(現在入手困難)が印象的だった実力派シンガーは、エルザ・ソアレスの近作などディレクションの方面でも仕事をしていますが、本作はバイーアのレジェンダリーなサンバ作家、バタチーニャの作品をチェロと共に、コンテンポラリーな驚きの解釈を施して再提示。
パウリーニョ・ダ・ヴィオラ、パウロ・セーザル・ピニェイロ、ホキ・フェヘイラ...バイーア出身の音楽家たちが誇りと喜びをもって共にサンバを奏でたのがバタチーニャことオスカル・ダ・ペーニャ。このサンバ・マエストロ亡き後20年が経ち、オマージュを贈る時がやってきました。サンパウロを拠点に活動するセルソ・シンの採った手法は、伝統に忠実なパゴーヂの編成ではなく、チェロ奏者のフィリーピ・マスミをフィーチャー。ピチカートやアルコの擦弦、あらゆる手法でチェロの可能性を見せてくれているほか、マウリシオ・バデーの最小限の音数ながら印象的なパーカッション、ウェビステル・サントスのギターやカヴァキーニョ、バンドリンに、m-10"Toalha da saudade"で見せるトロピカリア調のギターラ・バイアーノ。3人だけで紡ぐ極小のアンサンブルがまた表現力に富んだセルソ・シンの唄声やメランコリーな旋律にジャスト・マッチ。コンテンポラリーで洗練されたサンバは、先人の遺したフレーズに新たな魅力を吹き込んでくれました。