初めてヘッドホンを着けたときに走る衝撃。”サラヴァ”レーベルで知られるパーカッショニスト=ナナ・ヴァスコンセロスの兄弟、というのを差し置いて、熟した男の余裕と説得力を持った唄声にまず耳が奪われる。そして自ら巧みに構成したパーカッション・ワークは、ビリンバウ、トーキング・ドラムやレイン・スティックまで持ち込んで、効果音的な音色も含めて表情を変えてゆく。トロンボーンやフルート、ストリングスにカヴァキーニョ、時にはターンテーブル・スクラッチまで導入、曲ごとに編成を変えてエラスト・ヴァスコンセウス独自の世界観を繰り広げてゆく。自身の出身地であり、マンギ・ビートをはじめ新たな潮流が生まれ続けるペルナンブーコ州レシーフェのリズム”フレーヴォ”をモダンなエレメントに刷新したm-1から、歌詞にフォックストロットやボレロにサンバジャズが登場するカリブ海音楽の雰囲気を持ったm-2。ソフトなタッチで幻想的なm-3、、、豊かな音の引き出しと魔術にグイグイ惹き付けられてゆく。フォホーをベースとしたm-6、マーチング・ビートとチャイルド・コーラス隊、オルケストラ・ポピュラール・ド・レシーフェを従えミッシェル・フーガン(仏)を彷佛とさせるm-8。エラストによるビリンバウと唄に裏打ちのパーカッションにスクラッチが絡み合うm-10、バック・ビートのベース・ラインにファンキが融合したm-12まで、新鮮さを保ちつつ永く愛せそうな絶好盤!一押し!
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