*渡辺貞夫のプロジェクトで来日公演を果たすなど着実にキャリアを積み上げてきた、1976年サンパウロ出身の女性サンバ・シンガー-ファビアナ・コッツァ。9枚目となる「Urucungo」では、レコーディング時80歳を迎えたサンビスタ、ネイ・ロペスへオマージュを捧げています。レシ・ブランダン、ジョアン・カマレロ、ギンガ、そしてネイ・ロペス本人がゲスト参加。
サンパウロのバーでのハウス・シンガーを皮切りに、情熱的で包容力抜群の歌唱でサンバ界に新たな風を吹き込み続けたファビアナ・コッツァ。幼少の頃から憧れ、親しみを覚えていたネイ・ロペス。ここで巨匠のサンバ作家サイドから呈示されたのは、何と書き下ろしの新曲や未発表作品たち。これらを新進気鋭のバンドリン・カヴァキーニョ奏者エンヒッキ・アラウージョ、以前よりファビアナのアルバムに参加し続けている打楽器奏者ダグラス・アロンソとのプロデュースの元、サンパウロのショーロ界で活躍するジアン・コヘア(7弦g)、デボラ・グルジェルらとのトリオ・ソラールを結成した女性ベース奏者ヴァネッサ・フェヘイラ(b)らとレコーディング。ネイの本領ともいえるアフロ・サンバ"Urucungo"、朗らかさを持った"Já não manda em mim"、若きギター奏者ジョアン・カマレロがしっとりと歌伴を務めるのはファチマ・ゲヂスとネイの共作によるボレロ"Pólen"、ウイルソン・モレイラとネイの未発表曲でサンバ・ヂ・エンヘードの"Ré,sol,si,ré"、ギンガが巨匠ネイと共作し、ギンガの神秘的な和声法に寄せた"Jurutaí"など、サンバの境界を自在に往来、多岐に渡るスタイルを披露してくれています。