'18/2/23 久々に再入荷しました。
サンパウロの女性MPBシンガー・ソングライター、ジアナ・ヴィスカルヂ。可憐で華やかな唄声を存分に味わえる3作品がランブリング・レコーズさんから国内盤としてリリースされており、2度に渡り来日公演も果たしていますのでご存知の方も多いことと思います。その来日公演の実現や、企画アルバム「Coffee & Music」を共に制作するなど、ジアナ・ヴィスカルヂの音楽表現に日本で最も造詣の深い鎌倉Cafe Vivement Dimanche のマスター、堀内隆志さんが7年振りとなるオリジナル・アルバムの入荷に際して、コンセプトを紐解く素晴らしいコメントを贈ってくださいました。
この機会に以下のコメントをシールにして商品に貼付、販売を開始致します。
サンパウロを拠点に活動するMPB女性シンガーソングライターのジアナ・ヴィスカルヂ待望の最新作。今のノーヴォス・コンポジトーレスにも連なる前作『4321』から7年振りとなる本作は、プロデューサーにトリバリスタスやマリーザ・モンチを手がけたアレ・シケイラを迎え、アレンジャーにレチエレス・レイチ、ゲストにジャキス・モレレンバウムという強力な布陣で挑んだ全編バイーア録音の意欲作だ。これまでジアナと共に数々の楽曲を共作してきたミッヒ・フジチュカとのm-1,3,5。特にm-3は先頃来日をし、ジアナとは親友のヴェロニカ・フェリアーニが
ガフィエイラ・サンパウロで歌っていた曲だ。続くビリンバウの音から始まるm-4もガフィエイラ・サンパウロのもうひとりのヴォーカリストでソロ作も好評だった
カエー・ホルフセンと
シンコ・ア・セコのセルソ・ヴィアフォーラによるもの。m-7はカルロス・リラとヴィニシウス・ヂ・モライスによるナンバーだが、この曲が収録された背景には、ジアナが数年前にカルロス・リラとヴィニシウスによるミュージカル劇『哀れな金持ち娘』に出演し、この曲を歌ったからだ。ちなみに初演はナラ・レオンが主役を演じた。伸びやかなジアナの歌声とジャキスのチェロが聴きどころだ。そして本作のハイライト曲は2010年の来日公演でも演奏されたm-10だろう。来日時にジアナは、この曲について言葉遊びから生まれた曲だと語ってくれた。最後を締めくくるm-11はカエー曲で自身のソロアルバムやデメトリウス・ルーロ&パウラ・ミリャンの『
カフェ・ダ・タルヂ』でもカヴァーされていたので聴いたことのある方も多いはず。
本作はバイーア録音ではあるけれども、1曲を除きサンパウロのノーヴォス・コンポジトーレス世代のコンポーザー達の楽曲で占められている。テーマはずばりノーヴォス・コンポジトーレス・ミーツ・バイーアといえる。アルバムの随所にジアナの作曲能力の高さと、キャリアを積み成熟している表現力を感じることができる。聴けば聴くほどに味わい深い作品だ。ジャケットのカラフルなコラージュもジアナによるもの。
幸運なことに先頃サンパウロで行われた本作のリリースライブを観に行くことができた。『ORUM』の世界観を表現した素晴らしいライブだった。またいつか日本でもジアナのライブが観てみたい。そう願うのは、ぼくだけではないだろう。
[ Cafe Vivement Dimanche 堀内隆志 ]