ボールルーム・ダンスの一種、生演奏されるサンバ/サンバ・ジャズに載せて踊るのがガフィエイラと呼ばれるものです。リオ・デ・ジャネイロの黒人を中心に流行したこのダンス音楽を、サンパウロで頭角を表す腕利きミュージシャンが演奏しようというプロジェクトがこの盤です。女性シンガーには、シコ・サライーヴァ(g)との通好みながら
素晴らしいアコースティック・デュオ・ブラジルなアルバムが記憶に新しい
ヴェロニカ・フェヒアーニが、そして男性シンガーにはコンポーズもこなすカエー・ホルフセン。絶賛発売中の「
タチアナ・パーハ/インテイラ」でも楽曲の美しさを引き出す素晴らしいプレイを見せるコンラード・ゴイス(g)にチアゴ・ハベーロ(drs)、「
dani gurgel / nosso」や novos compositores でもコントラバスもエレクトリックも両方の安定した演奏を披露しているダニエル・アモリン (b)、E.ピアノ(フェンダー・ローズ)を使って楽曲をフレッシュで上質な手触りへと昇華させているマルシオ・ホルダン(key)、そしてビッグ・バンド・ジャズ的にゴージャスなホーン・アレンジが更にソフィスケイトされた紳士淑女の為のサンバという印象を深めてくれます。曲はシコ・ブアルキ"Tem mais samba”、ジョアン・ドナート=カエターノ・ヴェローゾ"A ra"、ジアナ・ヴィスカルヂ=ミッヒ・フジチュカで'30年代のサンバを下敷きにした"E bom" など全12曲。洗練されたサンバ・ジャズ・ヴォーカル作品としても聴きごたえ充分。