作家で音楽ジャーナリスト、作詞作曲家でもあり、MPB FMのプロデューサーとして良質なブラジル音楽を数多世に輩出してきた功労者。ネルソン・モッタの70歳を祝うトリビュート盤が届きました。過去のアーカイヴからの選曲ではなく、ネルソン・モッタが手掛けた楽曲を一流ミュージシャンたちに割り振り、どう調理するかはアーチスト次第、全曲新録されたというハイ・クオリティなオムニバス・アルバムとなっています。
レニーニは弾き語りとクリスチーナ・ブラガのハープを伴った静かなヴァージョンで、かつてホベルト・カルロスやミルトン・ナシメントも採り上げたm-1"Certas coisas"を、ブラジル人アーチストのみならず、ウルグアイ出身の
ホルヘ・ドレクスレルがegの芸術的な弾き語りで解釈したm-4"Como uma onda" もあります。一番古い曲で'67年ネルソン・モッタ=ドリ・カイミ作の"De onde vens" 、ネルソンの提言によって生まれた
ナラ・レオンのカヴァー・プロジェクト「
彼女の瞳が輝く処」を発表しているフェルナンダ・タカイがエレクトロニカ仕立てにしたm-12。'88年の1stアルバムにも関わっている
マリーザ・モンチとは何と25年を経て新たに共作された"Nos e o tempo" を制作、ジョアン・ドナートの生ピアノとエレガントな唄声を披露してくれています。AOR 調のエヂ・モッタm-2"Apaixonada"、プピーロがモダンで賑やかしいダンス・チューンへと変革したm-6"De repente California"は
セウが唄い、テクノ・ブレーガで話題のガビー・アマラントスは勿論彼女のスタイルでm-7"Dancin' days" を、
マリア・ガドゥはネルソン=ジャヴァンのショーロ・ジャズ調だった"Voce bem sabe" をクールなハイブリッド・ポップへと、それぞれが自らの信念に忠実に工夫を凝らして現在の音で解釈した玉手箱のような一枚。
参加アーチスト: LENINE e CRISTINA BRAGA / ED MOTTA e DANIEL JOBIM / MARISA MONTE e JOAO DONATO / JORGE DREXLER / CUCA ROSETA / CEU / GABY AMARANTOS / ANA CANAS / MAX DE CASTRO / MARIA GADU / LEO CAVALCANTI / FERNANDA TAKAI / SILVA / LAILA GARIN e IPANEMA LAB