前回の2作同時リリースのうち個人的にもお気に入りとなった「私の中の無限」の路線を思わせます。ゆったりと伸びやかなマリーザ・モンチ独特の確立された美しいハーモニーが弦楽を伴って唯一無二の世界を作り出しています。共同プロデュースはダヂ、リズム・セクションはデンギとプピーロにギターでルシオ・マイアとナサォン・ズンビ(
トレス・ナ・マッサ/
マキナード)の面々。トリバリスタスで共に音楽制作をしたアルナルド・アントゥネスやカルリーニョス・ブラウンとの共作曲に、ホドリゴ・アマランチ(
ロス・エルマーノス/リトルジョイ)との”O Que Se Quer"ではアマランチ本人も参加、様々な楽器とデュオを披露しています。意外なところではフアン・デ・ディオス・フィルベリート作のアルゼンチン・タンゴをバンドネオンを交えてポルトガル語歌詞の新解釈で収録もしています。
アントゥネスに
マルセロ・ジェネシ、シコ・サレムらで共作されたフォホー”Hoje eu nao saio, nao" などアルバム後半からはカラーもより華やかに、ウクレレの軽快な音色とトロピカルなムードにモダンなリズム・テクスチャーを溶け合わせたm-13 "Se Ja Feliz" は素晴らしい佳曲。とブラジル音楽の枠さえ飛び越えて、ワイドな視野で制作されたことは参加している豪華なミュージシャン陣を列挙しても明らかです。ジェシ・ハリス、マニー・マーク、グレッグ・コーエン、バーニー・ウォーレル、グスタボ・サンタオラージャ....