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アルゼンチンのネイ・マトグロッソ!?
中性的な声と生ギターで叙情的フォルクロリコな展開を見せる異色のアーチスト、ガボ・フェーロ。多作なガボは年一回のペースでリリースを続け、これが既に5作目、ペドロ・アスナールがゲスト参加。
中性的なハイ・トーン・ヴォイスはタンゴ歌手のレヴューやオペレッタとも通じ、聴くものを含めた辺りの空気を引き寄せる磁力を発揮。本人の爪弾くクラシック・ギターの唄と連動したリズムの艶かしさも然ることながら、Big Time というギター・トリオで活動するクラウヂオ・ラファルセ、ジャズ ~ エクスペリメンタルで広く活躍する打楽器奏者のロへリオ・ハラ、この三人がピアノからギターに打楽器と楽器を持ち替えながら編んだアンサンブルは、流麗なワルツやミロンガ、瑞々しいアルペジオの上をヴァイオリン奏法やドラマティックな打楽器の残響が行き交うアクースティカな音場に、ユーモラスなフォックストロットに、フレキシブルに音色が抜き差しされて詩的なムードをより深みのある表情へと昇華します。シング・アロングなアンセム調の"Hay una guerra"にペドロ・アスナールがb,perc. vo. で参加。幾度となく現地プレスのシンガー・ソングライター部門で最優秀の烙印を得ているのは伊達ではなく、常に斬新な音楽的冒険心と飛び抜けた感受性をたっぷりと解き放つ全12曲。
このガボこと、ガブリエル・フェーロは変わった経歴のアーチストで、なんと元ハードコア畑のミュージシャン。90年代にハードコア・バンドでの活動、その方法論と音楽での活動自体に一旦は終止符を打ち、歴史学を専攻。そうするうちに先達のフォルクローレの研究に没頭し、いつしか周りに背中を推され生ギター一本でパフォーマンスする叙情詩派アーチストとなったわけです。湧き出るような想像力の泉は、次から次へと新たな美しい響きとユニークなメッセージを持った曲を生み出し、"男性が歌ってはならない歌" と名付けられた1stから5年で5枚のリリース、スペインでのリリースとツアーなど南米のみならず欧州、U.S.とギターを提げて跳び回っています。女性ヴォイス・パフォーマー/打楽器奏者のマリアナ・バラフ「
マルガリータ・イ・アスセーナ」にガボ・フェーロの曲が採り上げられたのも記憶に新しいところ。