昨年の秋にクアルテートとして来日、アルバム
「UM」のヒットも記憶に新しいダニ・グルジェルが、鎌倉の
カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュの20周年を記念して編んだコンピレーションが登場。サンパウロを中心に巻き起こった「ボサ・ノヴァ/MPBのクラシックばかりでなく、自分たちのことばで描いた音楽をやろう」という趣旨の、ジャズのエッセンスを散りばめたアコースティック・ブラジル音楽新潮流=ノーヴォス・コンポジトーレスを冠し、午後のコーヒーにぴったりな楽曲ばかりが並ぶという名コンピレーションとなっています。
冒頭から来日の思い出を綴ったダニ&デボラ・グルジェル・クアルテートの書き下ろし曲"Terra do sol" にて幕を開けますが、光栄にも歌詞の中で堀内隆志さんや私の生業のことが登場します。(A companhia certa pra um cafe / E um oceano um som) そして写真家でもあるダニが主宰する映像サイト-ムジカ・ヂ・グラッサからの貴重なコラボレーションや、名作
「Agora」以来となるノーヴォス・コンポジトーレス名義の未発表2曲では、新進音楽家たちにスポットを当てています。先日、入荷して来た(そして現在売り切れ中... )ヴィニシウス・カストロといち音楽家が入れ替わり立ち代わりで共演してゆくという企画作「
Som na sala」絡みの楽曲も選ばれており、視点のシンクロニシティに嬉しくなってしまいました。
タチアナ・パーハがヴォーカリーズを披露するミナスのピアノ奏者ハファエル・マルティーニ、驚異的な管アンサンブルで話題となったグルーポ・インヴェントスのジョアナ・ケイロスなどのインストゥルメンタリスト、更にはタイス・モレルやピタンガ・エン・ペー・ヂ・アモーラのようなここで知ることのできる新しい存在。ダニに因るアーチスト紹介で、局地的な大ヒットを記録している*
ヴァネッサ・モレーノ&フィ・マロスティカの「あるフェスでメンバー来られず、仕方なしにふたりで演奏したのが発端」というエピソードにグッと来ました。ダニ・グルジェルの音楽家としての魅力だけでなく、紹介者としてもその編集能力に着目したという堀内さんの先見の明、本盤のアイディアに、そして偉大なディモンシュの20周年に、大きな拍手を送りたいと思います。
m-1 "Terra do sol" by Dani & Debora Gurgel Quarteto ↓大洋レコードの画像も!
m-15 "O que eu quero"
1. Terra do Sol (Dani & Debora Gurgel Quarteto)
2. Veio pra ficar [live] (Musica de Graça feat. Thais Bonizzi, Pedro Alterio & Paulo Monarco)
3. Entre o ceu e o pe no chao (Antonia Adnet)
4. Desse Lugar (Vanessa Moreno & Fi Marostica)
5. Ode A Sao Longuinho (Thais Morell)
6. Sem Arestas (Vinicius Castro & Julia Bernat)
7. Quem Ouvira (Pitanga em Pe de Amora)
8. Alguem Dira (Pedro Viafora)
9. No tambor de crioula (Cae Rolfsen)
10. Baiao Do Caminhar (Rafael Martini)
11. Perto (Joana Queiroz Quarteto)
12. Quebrupasso (Luiza Sales)
13. Centelha (Fabio Cadore)
14. Quero dancar no final (Dani Gurgel & Novos Compositores feat. Duda Brack, Juca Chuquer & Gabriel Santiago)
15. O que eu quero (Dani Gurgel & Novos Compositores feat. Paulo Novaes, Barbara Rodrix & Gabriel Santiago)