日本でオフィシャル・ファン・サイトも存在するブエノス・アイレス・エクスペリメンタル・ポップ界のディーヴァ、ポスト・ファナ・モリーナと呼び名も高きフローレンシア・ルイスが新作を発表。フォーク・インプロヴィゼーションを展開した初期を経て、エレクトロ・アーチスト - セバ・ランドロらがサウンド構築に関わるようになり、詩的な表現と声の存在感を活かしたイフェクティヴなバンド・サウンドへと徐々に傾倒。水面を滑るように素晴らしいギターのアルペジオと虹のように一丸となって上昇してゆく音の水飛沫。これを披露した前作"Correr"、この盤の一曲目の路線が発展・進化したまま続いていくような感触がこの新作"Mayor"。ブエノス・アイレスのインディー・シーンから前述セバ・ランドロを始め(前3作からのリミックス盤"Fogon"を共同制作した経緯もある)、アリエル・ミニマル、フローパといったアーチストたちが参加。多くの曲に的確なエレクトロ・エレメンツが寄り添い、曲に依ってはストリングスをフィーチャーしたり、異色なガレージ調もあり、アルバム・トータルとしての突き抜けた印象。透明感、純度を高めた歌唱の表情は幾段にも増したように思える。必聴はm-5, 6, 7, 8, 流れの美しさといったら...