アルゼンチン北部のフフイ州ウマウワカ出身のガウチョにして、現コルドバ在住のシンガー・ソングライター。”ラ・エレクトリカ・フォルクロリカ”なるバンドと共に革新フォルクローレを展開してきたビーチョ・ディアス。女性シンガー二人(アレハンドラ・カルネーロ、アンヘリカ・ガデア)を従えてチャランゴを掻き鳴らし、土臭いルーツ音楽のパッションとエレクトリック・ギターの可能性をギュッと凝縮して俗にいう”メスチーソ=混血的”表現を行う彼の最新録音盤。ラテン・アメリカ中いたるところから集めたパーカッションが高鳴りを極めれば、山岳地帯発祥のフォルクローレらしくケーナの音色は風にそよぎ、情感たっぷりに綴られる唄は切なさを感じさせる。自作のウアイーノやバイレシートの他、トラッドをA.ユパンキが改作したサンバ(zamba)やアンデス山脈ボリビア国境を超えたタキラリというリズム様式も。