2017/8/1 再入荷しました。
歌詞やグリンホトの佇まいに即したイラストレーション、"ユパンキの節度"と題されたエッセイ、64pの書籍とディスクのセットで制作された本作は、'72年ブエノス・アイレス生まれ、カトリック大学でクラシック音楽とコンテンポラリー、ピアノとヴァイオリンを習得した音楽人パブロ・グリンホトの集大成が詰まっています。コワフールやガボ・フェーロの弦楽アレンジを手がけたり、映画のスコアにも携わるなど、多才なひとではあるのですが、本作では至って間を生かした構成で、自身のピアノやギターの爪引きを元に、ブラジル人ベース奏者ワギネル・ラジェマンのプロデュース、ポルト・アレグリに赴いてレコーディングされた作品になります。少ない音数と噛みしめるような言葉で綴られる行間から、情感が滲み出すかのようです。ミロンガ調のポルテーニョ気質を物語るトラック、素朴ななかにロマンチックな情景を浮かべる冒頭の"Jazmina"、そしてm-8"Jardin"のようなたゆたうアルペジオとハーモニーが唯々心地よい佳曲、ウルグアイのカンドンベ・パーカッションを背後に取り入れたm-11"Vanidad arrabalea"なども。弦楽を従えてレコ発を大箱のCAFFで行ったり、書籍形態だけあって国立図書館でもライヴを開催したり、じわりじわりと波及しつつあるようです。
#pablogrinjot