フランス在住のブラジル人S.S.W. マルシオ・ファラコ。パリから遥かリオ・デ・ジャネイロを思わざる、
これぞサウダーヂ(郷愁)。ボサ・ノヴァのゆるやかな揺らぎと陽光を浴びた穏やかなギターのトーン、
内面を見つめ紡がれる唄にはヨーロッパの洗練されたメロディを、うっとり包み込むような詩情あふれる唄い口で。
大洋レコード・ライセンス国内盤第16弾
マルシオ・ファラコ/ウ・テンポ
TAIYO 0016
全11曲入り/日本語歌詞対訳付
日本盤オリジナル紙ジャケット仕様
2011年7月29日リリース
'63年ブラジルは南東部アレグレーテの生まれでブラジリア、ベロ・オリゾンチやリオ・デ・ジャネイロで生活、'92年からヨーロッパに移り住み男性SSWディディエール・シュストラックのバックなどを務め、フランスとブラジルの双方でソロ名義のアルバムをリリース、モントルー・ジャズ・フェスティヴァルやブルーノート・パリなど様々な舞台を踏みブラジル圏外で活動するブラジル人ミュージシャンの中でも屈指の人気を誇ります。
哀愁と優しさに満ちながら優美さをも保つ、そんな一曲目"Ultimo Olhar"ではガット・ギターとカイピーラ・ギターを多重録音、広がりを見せる音色の粒の中で「僕は此処にいる/コパカバーナから遠く離れ/海からも遠く/あなたから遠く/大陽の週末は二度と訪れない」と。穏やかな波に揺れるバイーアォンのリズムと流れゆくようにスムースなリフに導かれて時間の儚さを歌う"O tempo”でも、パーカッション奏者のジュリオ・ゴンサウヴェスとの調和のとれたギター・アンサンブルに唄のみと、ゲスト演奏者陣をふんだんに使った前作「Um Rio」とは双璧をなす参加ミュージシャンの少なさ。一方でリオでサンバを歌う女性シンガー - カロリーナ・フェヘールとの共作曲”Descaso""Noite de Lembrar"、ファラコとは逆の境遇となるフランス生まれのブラジル在住SSWピエール・アデルニと共作された"douro"、またファラコと同じくヨーロッパ先行で評価を得ている女性シンガー-アリーニ・ヂ・リマとの共作"madrugada" 、または前作、前々作からの流れでアウグスト・ヴィラヴェルヂ("porque querer")やパウロ・アントニオ・ベルクオ("acaso, sorte ou destino")らが詩作で、と曲作りの面では多彩な面々とコラボレイトしています。最終曲m-11 "chuva, sol e vento"のみセルジオ・ジャトバー作でファラコが作曲に関わっていません。リオ・デ・ジャネイロ市内から橋を超えたニテロイのスタジオで、そしてパリ市内のスタジオでも録音。ワルツのリズムなども用いファラコの内面から滲み出るゆったりとしたタイム感と自作の優美な旋律を中心にまとめあげた全編ブラジル・ポルトガル語歌詞、シンプルなアコースティック唄ものの最新アルバム。
1. Ultimo Olhar
2. O Tempo
3. Descado
4. Nenhum Lugar
5. Douro
6. Madrugada
7. Constantina
8. Porque Querer
9. Acaso.Sorte ou Destino
10. Noite de Lembrar
11. Chuva, Sole Vento