フローレンシア・ルイス、ガボ、ゲスト参加、ブエノス・アイレスのスノッブで知的なインディペンデント・ミュージシャンによる傑作!エクスペリメンタル、トイ・ポップ、ボサノヴァ、新世代ロック、クレズマーにジャズ、全てを飲み込んだユニークなS.S.W.
ヴァイオリン弾き唄いからギターにサックスとマルチな才能を発揮するブエノス・アイレスのS.S.W.。トイ・ポップの要素を絡めて自身がスキャット・オペラと呼んで憚らないユニークな世界観で幕を開ける本アルバムは、音楽自体が持つ楽しさをふんだんに詰め込んだ素晴らしいアルバム。仲間のミュージシャン達(弟含む)との生楽器主体のバンド編成で造り上げた録音にはパレルモ地区で活躍するミュージシャン達の新しいシーン特有のインテリジェンスとちょっとスノッブなユーモアが満載されています。ピアニカが泣きを誘うメランコリーな旋律を持ったフォルクロリックなポップや新世代によるロックのカタルシスから、ロックステディのリズムにヴァイオリンのピチカート奏法が載ったり、ボサノヴァの浮遊感を粋に醸し出したかと思えば、自国のルーツ・リズムの要素が若干顔を出したり、ストリングスだけをバックにファルセットとスキャットを披露したかと思えば、ウッドベースのラインを基盤にジャズのスリルを味あわせてくれ、M-7ではエクスペリメンタルに変拍子でリフレインする音場にポストロック以降のミュージシャンの気概を見ることができます。m-10ではゲスト参加のフローレンシア・ルイスにガボが研ぎすまされた不思議な音場を泳ぎ行きます。本2ndアルバム発表前に米国のマイアミなどをツアーしたというマルセロ・ルピス、演劇の音楽なども手がけるという想像力に富んだ素敵なミュージシャンです。
