*2018/5/21再入荷しました!
ブエノス・アイレスのアンダーグラウンド、インディペンデント・シーンで様々なアルバムやショーを支えて来た先鋭ポップの器用な職人たちによるフォーキーで穏やかなメランコリアが光るアルバムが届きました。
パタゴニアの北の端、リオ・ネグロから音楽活動の為に首都ブエノス・アイレスに出て来ている面々がインディペンデントなシーンで活躍しています。いまや2000人規模の劇場をいっぱいにし国外へツアーにも出掛けるSSWリサンドロ・アリスティムーニョ、そしてこのパラモの首謀者であるフェデリコ・ファルコン。ともすれば資料的ないなたさを持ってしまうルーツ・リズムを、さりげなく且つモダンに取り入れたリリカルな音楽を展開、ここに2作目となるアルバムが届きました。リサンドロ・アリスティムーニョのバンドに1stの頃から参加し、そのギターのヴィヴィッドなつかいかたや、打楽器もこなすヴァイタリティに、トミ・レブレロら多くのSSWのアルバムでプレイするカルリ・アリスティーデ。この界隈での客演をはじめ、最近では弦楽四重奏の劇的で新鮮なるアンサンブルを聴かせたビセラクラッシュの一員を成した(ビセラクラッシュはお休みしてしまった様子....)、女性チェロ奏者のレイラ・チェロ。そしてウルグアイ音楽を探求するロシオ・ムニョス・トリオや、SSWルシオ・マンテルの作品にも参加する打楽器奏者のガスパール・ティテルマン。この4人が現在のパラモ(=霧雨、荒れ地)を構成しています。フォーキーなアルペジオの中を小口径ドラム・キットによるムルガ系統のルーツ・リズムが船のように進み、フォギーなソフト・ヴォイスが叙情たっぷりな旋律をたゆたうm-1 "romeo" (=巡礼者)、チェロに導かれまさに舟漕ぎ唄ののどかな風景を見せてくれるm-4 "camino al tembrao" にはソエマ・モンテネグロが参加、壮大な景色を讃えるように美しい和音が爪弾かれるタイトル・トラック("lejania" =遠い場所)5曲目ではゲスト・ヴォーカルのパロ・パンドルフォのハスキーな唄が胸を打ちます。ハイブリッド系S.S.W.もの一線級の完成度を誇る逸品m-6"cambio" などでベースを弾くのはメ・ダラス・ミルス・イホスのグスタボ・センマルティン。m-9 "de este lado del rio" (=川のこちら側)ではワルツのリズムに載せて聖なるムードを持った美しい旋律を女性歌手ラウラ・ロスとフェデリコ・ファルコンがデュエットします。曲毎に異なった表情を見せながらも、水面の風景が瞼に浮かぶのはこの美しいジャケットや、曲の印象を写真で切り取ったカード状のブックレットという装丁と、楽曲、演奏、言葉、すべての相乗作用だと思うのです。