フランスのロック・バンド、デュニゾスのマチアス、テット・レッドのクリスチャン・オリヴィエ、トリオのクリストフ・マリ、メランコリックなSSWベン・リクールなど興味深い交流関係を持つ若干26歳の女性シンガー、オリヴィア・ルイス。元々スペインと隣り合わせのラングドッグ・ルシヨン地方の出身であり、父のディディエ・ブランはスペインの音楽に精通したミュージシャンであるという環境。これらの要素がとてもうまい具合にミックスされた、他では見られない面白い作風。自作曲の他には上記錚々たるメンバーの曲を採り上げ、アコーディオンやバンジョー、マンドリン、ウクレレといった生楽器を有効に使い、クラリネットは地中海のもの寂しい旋律を奏で、ミュゼットや古いシャンソンだけでなく、フラメンコなどをベースに置いた曲にも轟音ギターやスクラッチ音をかぶせたり。本国では35万枚のヒットとなったアルバムは、06年アルバム・オブ・ヂ・イヤーにも選ばれた。