現代のフレンチ・ポップで、皆さんが想像するところのフレンチ像からブレることなく、なおかつその想定の範囲を凌駕するほどに良い歌を表現している....そんな希有な存在がこのローズことケレン・ローズ(本名 ケレン・メロウル '78年生まれ ローズという芸名はジャニスの生涯をモチーフにしたマーク・ライデル監督の同名映画からとったそう)。スチール弦のアコースティック・ギター - 俗にいうフォーク・ギターを抱え、自分の言葉を朗らかでフェミニンなメロディーで綴るシンガー・ソングライターです。ここの3曲目は"Yes We Did" とありますが歌詞のほぼ全てはフランス語で、「2008年、若干の氷河が流れ続けると合図する~」とはじまるこの曲や、「ひびが入るターンテーブルのサージェント・ペッパーズ、日曜日の朝一番。遠い思い出を良く覚えています」と歌うリーディング・トラックの" Comment C'etait deja" など女の子の身近に感じたり考えたりしたことを、優美なラララと弾むハミングと共にフォーキーな音で表現していきます。カントリー・タッチや70's S.S.W.ものを思わせるヴァイオリンにヴィンテージなエレピにウクレレなどサウンドのヴァリエーションとその精彩さは前作に引き続きお墨付き。デヴュー当初、全く無名にも関わらず一週間で200枚ずつ(フランスで)CDが売れ、それが倍に倍に、という伝説は伊達ではありません。このフランス盤は2CD仕様となっていまして、未発表曲やオルタネイティヴ・ヴァージョンなども収録。