日本でも”皇帝ペンギン”のサントラなどで馴染みが深いエミリー・シモンのニュー・リリース。父が音響学の先生、自身もライヴでロボット・アームで音を出したりと、ロリータの系譜を継ぐ風貌に似つかわしくない実験的かつアヴァンギャルドなエレクトロ・ポップで、世界を驚かせ続けるエミリー、今回はなんと全編英語詩。アナログ・シンセベースをブイブイ言わせたニューウエーヴ節から、すぐに自動車のCM音楽となりそうな(なってます?どうも既視感が)、ビッグバンド調ポップの”Rocket to the moon" など、ニューヨーク滞在で得たブラック&ホワイト、双方の音楽エッセンスを表現したいと制作されたアルバム。さきの"Rocket~"など3曲のドラムスはアーケイド・ファイアーのジェレミー・ギャラ。そして近作に引き続きマルチ・インストゥルメンタリストのフランソワーズ・シュヴァリエが、ブラス・アレンジなどをサポート。そしてファイストやゴンザレスを手がけたエンジニアのルノー・レタンがミックスを担当。溢れ出るポップなエッセンスに潜む退廃的美学がフランス的。世界を視野に入れた大作!