80年前後のUS録音のアルバムなどで、一時代ブラジル音楽のイメージを作り上げた男、ジャヴァンのアコースティックな
スタジオ盤傑作「Aria」のライヴを収録した最新盤です。カヴァー作品を収めたアルバムに即したレパートリー、カエターノの”oracao ao tempo”やジャズ・スタンダード"fly me to the moon”、カルトーラ"disfarca e chora"、ヴィニシウス=ジョビン”brigas nunca mais”、ジルベルト・ジル”palco”などは勿論、序盤での"eu te devoro"( bicho solto '98)、"lambada de serpente"( agua '82) と自作曲をeギターを込んだコンボ編成で艶っぽい唄を畳み掛けるように聴かせると観衆が惹き付けられて行く様子が手に取るように分かります。マルコス・スザーノのエレクトロニクスを駆使したパーカッション/ドラム・キットやアンドレ・ヴァスコンセロスのベース、トルクァト・マリアノのeギターが役割を増す終盤のソウルフルな大演壇、"flor de lis" ( a voz, o violao, a musica de Djavan '76) や、"Sina" (luz '82)、"Lilas" (lilas '84) のシングアロングは素晴らしいのひとこと。ベロ・オリゾンチの劇場で'11年4月に収録、クラシック・マスターのカルロス・フレイタスがマスタリング。春だからブラジル音楽を、という方にはぜひお薦めします。