パーカッション奏者がリーダーとなっている
ディエゴ・マリオーニ・トリオのアルバムでフィーチャーされていた今の世代の女性フォルクローレ歌手がこのロミナ・ロペスです。9歳の頃から音楽を通じた馴染みだというディエゴ・マリオーニのザワザワと木刷れのように手元の小技も粋なフォルクロリック・ドラム奏法を全編に、エレピも生ピアノも使い分ける鍵盤奏者のセバスチャン・テジョ、アレンジに一際ジャズのエッセンスを吹き込むセバスチャン”・バチ”・フレイリアの3人が演奏メンバー。'81年生まれのロミナ・ロペスはこれらミュージシャンの自在なアンサンブルを背景に、明瞭で凛とした唱声で南米中のレパートリーに挑みます。この素養は音楽学校やヴォーカル・グループ- デ・ボカ・エン・ボカのメンバーたちに師事した正統派フォルクローレのスタイルに則ったもので、事実、在籍したグループで賞にも輝いています。若き演奏者たちを主役に据えたインディペンデント音楽の発展促進プロジェクト
への参加などを経てソロでは2作目となる本作の発表となりました。アルバムはコロンビアのマイタ・ゴメスによる楽曲で幕を開け、タンゴのレパートリーとしても広く知られる"nostalgia" (コビアン作)や、レギサモンの名曲”Serenata del 900" といった自国の歌い継ぐべき唄、そしてブラジルのそれとは異なるAOR的な解釈を施した"Doralice" (D.カイミ)、”Baby"(C.ヴェローゾ)、"Carolina"(C.ブアルキ)といったMPBの名曲たち、ウルグアイはルーベン・ラダの楽曲まで、次世代のタンゴ・カンシオン、フォルクローレ・ジャズ・ヴォーカル、といった風情で少数精鋭による堂に入った表現が聴きもの。また、このCDにもコルドバ州政府や文化庁の後援がついています。最近ではブラジル -リオ・デ・ジャネイロで行なわれたNiteroi Encontro com America do Sul にも参加(アルゼンチンからは他にリサンドロ・アリスティムーニョやバフォホンドが参加)。