アルゼンチン北西部カタマルカ出身のディエゴ・マリオーニは、フォルクローレの打楽器から唄、フルート、ソプラノ・サックスにギターまでを演奏するマルチ・インストゥルメンタリストで、現在はパーカッションをメインに、コルドバを拠点にする女性シンガー-ロミナ・ロペスの作品の片棒を担ぐなどしながら、自身のリーダー作をトリオ名義で発表しています。それが本盤。フォルクローレの英雄 - アタウアルパ・ユパンキの多用した愛すべきルーツ・リズム”ビダーラ”などに則った自作曲やエドゥアルド・ファルー曲などを、トラッドの品格を感じさせる味わい深き唄声とパーカッションにEベース、ギターのトリオで表現。特筆すべきはジャズ調のEギターがアレンジに彩りを加えている点で、フォルクローレをジャズ・フュージョンの手法と溶け合わせて新鮮且つたおやかに聴かせてくれます。コルドバのインディペンデントな音楽のサークルに属していたディエゴの下には、新しい世代のルーツ系ミュージシャンが数多く集い、ロミナ・ロペス(vo)、
バギネル・タハン・デュオ(vo)、マリアノ・クラビホ(共作、vo)、ルラ・フェルナンデス(vo)らに、ディエゴと共にパーカッションのアンサンブルを聴かせる
ビビアナ・ポッセボン、そして最終曲では7弦ギターで
セシリア・サバラが参加しています。