低く噛み締めるように紡ぎ出される言葉は、深く吸い込んだ息のあとからゆったりと足下に横たわってゆく。セックスの成就、性的なロマンスを描いた小説「シネマ・オルリー」の著者として知られるルイス・カプーチョのリリシズムは音を伴ったとき、剣よりもペンよりも強固たる印象を残す。80年代に”怒れるパフォーマー”として支持を集め、90年にエイズで亡くなったカズーザの意思に詩中で触れたm-10など、アウトサイダーとしての生き方を一身に引き受けた上での言葉のパフォーマンス。フォーキーでブルージーな曲風景はルイス自身とサンビスタ:マルコス・サクラメント(m-9のアーバン・メロウなデュオが最高!)、マチルダ・コヴァック、スエリー・マスキータと共作したもの。
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Luis Capucho