SELTON / SAUDADE

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SLTN-004

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イタリア・ミラノで活動し、人気を博すブラジル出身のインディーポップ・バンドのハーモニーと疾走感に胸躍る傑作。

相当なポール・マッカートニー・フリークであることが伺える抜群のメロディ・センス、ウイングスを彷彿とさせる、或いはフィル・スペクターや東海岸ソフト・ロック直系のシャイニーなハーモニー構築術は聴いているものを笑顔にさせるには充分。そして冒頭の英語パートを書き加えたルイス・ゴンザーガ作"Qui nem gilo"からアート・リンゼイがフィーチャーされていることでも想像に難くないように、都会的なモダニズムを醸し出すアレンジに用いられるのはビザールなギターの音色とFX、サンプラーも駆使した現代的なバンド・サウンド。この根底にはマージー・ビートやノーザン・ソウルのみならず、どこかしらブラジルのバンドならではの骨太なサンバのリズム・フィールが息づいてもいます。マラカトゥをインタルードに使ったフォルクローレの斬新な解釈に、クイーカを効果音的に用いたり。ウクレレを頻繁に使うのも南米出身者ならではでしょうか。歌詞は葡語・英語・伊語の3カ国語で書かれた本作、プロデュースはイタリア在住のトマッソ・コリーヴァ（ミューズ、フランツ・フェルディナンド）が手掛けた通算3枚目となります。ポルト・アレグリ出身の４人の若者がバルセロナの路上でビートルズのコピーを演奏していた所、イタリアのインディー・レーベルとの契約に至り４人ともミラノに移住、デヴェンドラ・バンハート＆ホドリゴ・アマランチの前座を務めたり、ロック・イン・ローマで大観衆を前にパフォーマンスも経験、と眉唾のサクセス・ストーリーを持つセルトン、本作を提げて凱旋ブラジル・ツアーも実現。いま増えつつあるクラウド・ファウンディングでのアルバム制作、セルトン・グラスなるオリジナル・ブランドのサングラスを販売していたりと、活動自体がすごくポップです。