ミルトン・ナシメントのサヨナラ・ツアーにも参加したギター奏者ウィルソン・ロペスが2006年に発表した、ブラジリアン・ジャズ/インストゥルメンタルの傑作『Tempos Maior』。今回入荷したCDはごく少量で、おそらく最後のフィジカル入荷となります。お探しだった方は、ぜひこの機会に。
1966年、ミナス・ジェライス州の鉱山の街ピタンギに生まれ、その後ベロ・オリゾンチへ移住。兄弟のベトとのギター・デュオで演奏家としてのキャリアをスタートさせます。トニーニョ・オルタ、そしてビトゥーカことミルトン・ナシメントら、ミナスを代表する偉大な音楽家たちとの出会いを通じて、交流を深めていきました。
出会いから10年を経て、ミルトンと共に音楽を作るようになり、最後のワールド・ツアーに至るまで、その傍らでギターを弾き続けてきたウィルソン・ロペス。そんな稀有な経歴と才覚を持つ彼が、自身の名義で2006年に制作した本作は、ミナス音楽を探求するリスナーの間でも名作として知られるブラジリアン・ジャズ/インストゥルメンタル・アルバムです。
ウィルソン自身の作曲でドビュッシーに捧げた「Paris」では、木管楽器や弦楽器による室内楽的なオーケストレーションを展開。ミルトン・ナシメントとの共作「Sexta-Feira」では、ミルトン本人のスキャット・ヴォーカルを聴くことができます。
以降の楽曲では、ウィルソン・ロペス(g)、ウーゴ・ファットルーソ(p)、アルベルト・コンチネンチーノ(b)、リンコウン・シェイビ(drs)という豪華な固定メンバーが演奏を支えます。
「Dia Livre (Bituca's Day Off)」や「Dr. Horta」にはトニーニョ・オルタ(eg)が参加。同郷のタヴィーニョ・モウラ作「Alvorada」は、アコーディオン奏者アレッサンドロ・クラメールとのデュオで聴かせます。
ミルトン・ナシメント、ホナウド・バストス、ダニロ・カイミによる「Rio Vermelho」では、シコ・アマラルのサックスをフィーチャーしたビッグバンド・アレンジを披露。兄弟のベトを含むギター三重奏「Madrid」、そしてゲスト・ヴォーカルを迎えた「Flor de Fogo」まで、音楽家ウィルソン・ロペスの多彩な引き出しを存分に味わえる一枚です。