ホムロ・フローエス、ヌノ・ハモス、そしてこのクリマで作曲チームとしてガル・コスタやマリアナ・アイダールへ楽曲提供も行ってきました。またパッソ・トルト勢と組んでエルザ・ソアレスの「A Mulher do fim do mundo」へも楽曲提供を行っています。前衛的なサンパウロのシーンで裏方に徹してきた男のデヴュー・アルバム、緊迫したセッションとナチュラルな唄の対比が素晴らしくクール。
普段は造形作家としてアート活動を行っているパウリスタのエドゥアルド・クリマシャウスカ。エクスペリ・サンバの雄ホムロ・フローエスの共同作業者として楽曲制作を行ってきました。女性シンガー、マリアナ・アイダールの直近のアルバム「PEDAÇO DUMA ASA」が、このクリマとヌノ・ハモスの楽曲のみフィーチャーした作品であったことは記憶に新しいです。ここでもm-3"Dedo ouro"、m-10"Mamáe papai"、m-11"Dentro das rosas"をセルフ・カヴァーしていますが、自身のギターやイフェクトと、ホドリゴ・カンポスのファズ・ギター、フィロー・マシャードの息子でMPB界で活躍するセルジオ・マシャード(drs)、ベースレスのこの編成に時折フリー・ジャズを思わせるアラン・アッバヂアのインプロヴァイズされたtbが入って来るという定型を覆すサウンド。ノートをはみ出した不可思議なメロディーをなぞったり、二本のギターのミニマムなリフが絡み合ったり、ドンガラガッシャンとフリーキーなプレイが為されるドラムの合間を、妙に落ち着き払ったクリマのvoが詩的な風情を醸し出すというやみつきになりそうな一枚。全曲をクリマとヌノ・ハモスのタッグでコンポーズ、時折コーラスで参加するホムロ・フローエスはディレクター、共同プロデューサーとしての立場を担います。