2016/7/26 久々に再入荷
情感を込めつつも柔らかな唄い方をする女性vo アナ・クスクック、女性g&vo パトリシア・アルバレス、ペパ・ビバンコ(flute)、カルロス・パラシオス(portugal g, mandlin)、マリアノ・ゴラ(cl, per.) の五人にその都度コントラバス奏者を入れて六人を基本編成に、忠実にファドの形式をいまに伝える冒頭曲"madrugadas serenas" に始まり、ヨーロッパの香りを気品良く漂わせたm-3 "transparente"、ヘナート・テイシェラ作のブラジル音楽稀代の名曲m-8"romaria"の優美でサロン・ミュージックの本質を突いたようなカヴァー 、ゲストのバンドネオン奏者パブロ・マイネッティを迎えてのトロイロ=マンシのタンゴ曲"el sur"、フェルナンド・ペソアの詩にポルトガルのギター奏者マリオ・パシェコが曲を付けたm-12"ha uma musica do povo"もあり、アルバム・タイトルにもなっているのはシコ・ブアルキ作のm-15 "tanto mar"、その名の通り大海原と航海を思わせる素の魂が籠ったアコースティック音楽はいつしか私たちの日常に馴染んで溶け込んできます。

毎回凝った装丁で楽しませてくれるこのシリーズのCDですが、今回はトレイに緑に染まった花びらが封じ込められています