ロドルフォ・メデーロス・トリオのベース奏者として知られるセルヒオ・リバスのソロ作。いにしえのコントラバスのためのタンゴ曲から現代のコンポーザーまで、ピアノやバンドネオン、ギターとのデュオなど至極シンプルな編成で紡がれたインストゥルメンタル・アルバム。
アルゼンチン国立のオーケストラに居た事もあり、またコロン劇場の楽団にも在籍、クラシカルの素養とタンゴの奏法を併せ持つコントラバス奏者がセルヒオ・リバス。ここでは冒頭から3曲をギターのアルマンド・デ・ラ・ベガとのデュオ編成で、1920年レオポルド・トンプソン作のベースの為に書かれた哀憐ムードのタンゴ曲をプレイ、歌詞はなくとも人生劇場のおかしみが伝わってくるオスカール・デ・エリア(p)との1929年ビセンテ・スカルレッタ作品、そしてタンゴの大家トロイーロ=ピアソラ作はフェルナンド・タボルダ(bdn) とのデュオで。ピアソラ曲は他にメランコリーな"Kicho" (1970年)も印象に残ります。アルバムは進めば進む程近年の作品へとアップデイトされていき、盟友ロドルフォ・メデーロス作品や、レオポルド・フェデリコ2006年作品まで全15曲。タンゴ楽団でも重要な役割を果たすコントラバスの表現にフォーカスをあてた異色のインストゥルメンタル作品。