アルゼンチン・ロサリオの若手女性ジャズ・ピアノ奏者ロシオ・ヒメネス・ロペス。医学も履修した才女による、女性らしいしなやかなコンテンポラリー・ジャズを展開した前作はブエノス・アイレス・ジャズ・フェスティヴァルでもラスト・コールを務めるなど、高い評価を得ました。今作はリズム隊も新たに、ブラジル音楽のカヴァー・独自解釈も二曲(ミルトン・ナシメント作"Clavo e Canela"、シコ・ブアルキ作 "O Futebol")含む2ndアルバム。
ロシオ・ヒメネスを中心としたピアノ・トリオは、パンデミックの混乱でショーがキャンセルとなる中、楽曲の制作と内面を見つめた美しきインプロヴィゼーションの探求を繰り返してきました。ロシオ・ヒメネス・ロペス(p)、フェルミン・スアレス(b)、フランシスコ・マルティ(drs)と編成も新たになり、アナログ・シンセと生ピアノの併用、コントラバスのアルコ、エクスペリメンタル性を充分に感じさせる即興フリー・ジャズの様式もあり、非常にアグレッシヴで前のめりな創造性と繊細できめ細やかなタッチの共存した、アルゼンチン・コンテンポラリー・ジャズ"らしさ"を感じさせる逸品となっています。