レゲエのリズムにミナス特有の浮遊感のある音使い。一曲目からルーツ・ロックのレゲエ・マナーにフルートを持ち込むという全く新しい発想が冴え渡る。その他にもビリンバウやクラヴィネットのような音色を使い柔軟な姿勢で新しい音を提示しているのがこのオメリアーの特色。'90年代から活動し、サンバ・ソウルの旗手の一人マルク・ヒバシをプロデューサーに迎えたりしながら、エレクトロ・サウンドやラップの導入など新たなアプローチに挑んできたバンド。自らの活動を振り返りながら、再度取り組んだこの'02年アルバムでは、自分たちの出身地から羽ばたいた先達たちが最も大切にしていたものーーハーモニクスやメロディに重点を置きながらダブのエッセンスもしっかり盛り込んでいる。クルビ・ダ・エスキーナ勢の名曲の一つ、m-4のベスト・ゲヂスーーホナルド・バストス作”アモール・ヂ・インディオ”ではミナス音楽とレゲエの最高の融和を見せており、元ムタンチスのトゥーリオ・モラウォンがローズ・ピアノでゲスト参加、女性シンガー、マリナ・マシャドとの美しいデュオを聴かせてくれる。アフォンシーニョ(m-7)、サムエル・ホーザ(m-2)もゲストで参加。