名曲「ビリンバウ」の作曲者にして独自のギター奏法を開発し、ブラジル音楽へ遺した功績は多大な巨匠、バーデン・パウエル。そのバーデン・パウエルがアフロ・サンバにこだわったアルバム、ボサ・ノヴァからトロピカリアへ至る過渡期で最も重要と位置づけられるアルバムがブラジル盤で再発されました。66年に本盤のオリジナルは2トラックでレコーディングされ、ヴィニシウス・ヂ・モライスによる地域信仰神への祈りが込められた詩と、クアルテート・エン・シーのコーラスも相まって、神秘的な魅力に溢れた作品とされています。90年にバーデン・パウエル自らの手によってオリジナル・レコーディングへの最大限の敬意を払いつつも当時の技術でリアレンジされ、より立体感を増したのが本盤です。"Canto de Ossanha" のゾクゾクするような高揚感をはじめ、パーカッションのアレンジも秀逸。