2021/9 現在売り切れております。
昨年に日本独自編集盤としてリリース致しましたアルゼンチン・チャコ州出身、
川沿い音楽のS.S.W.セバ・イバーラの「ニーニョ・パラナー」。ラジオでのオンエアなどで、静かなる反響を呼んでいますが、このアルバムにて多くの楽曲でアコーディオンを演奏しているのがルーカス・モンソン。セバたちが元にしているフォルクローレ・リズムにチャマメがあります。このアコーディオンを用いる伝統リズムを革新的に咀嚼して表現する音楽家、セバが唄ものの雄とすれば、インストゥルメンタル音楽の分野で静かなるジャズとチャマメを融合させながら独自の道を切り拓くのがこのルーカス・モンソン。コキ・オルティス、セシリア・パウルが参加した本作がソロ2作目となります。
アルゼンチン・チャコ州'84年の生まれで、4歳のときから歌手/ギター奏者の父親の影響でアコーディオンを始めたそうです。ルーベン・シルバを最初の師に、以来フォルクローレやジャズの界隈で活躍、在籍したアマンダシェーというグループでは大使館の助成で米国へツアーに出掛けました。エマニュエル・アルバレス(p)のカルテットに参加するほか、同郷のS.S.W.セバ・イバーラの各アルバムにて客演もしています。さて本作ではファンタジックなボタン式アコーディオンの独奏"Aurora"に始まり、オマール・マンブリン、或いはパトリシオ・エルモシージャのギターとのフレーズをシンコペイトするデュオや、楽曲提供者としても役割を果たすアレハンドロ・ルイスのギタロンやベース、ウリー・ゴメスのパーカッションも参加したりしながら、アコーディオンのふくよかな音色が醸し出す欧州トラッドの雰囲気と、チャマメやタンゴの形式でコンポーズされたモダンでコンテンポラリーな現在のアルゼンチン音楽の要素、そこにジャズの論理が交じりあい新鮮なハーモニーを形成していきます。ゆったりと川沿い音楽の瑞々しさを描き出すm-5"El espejo"にはヴォーカリーズでヘルマン・カルベールが、コキ・オルティス作のm-7"Flor del agua" にはコキ自身のギターと女性シンガー、セシリア・パウルが参加。