割と新しい世代のコンポーザーの曲を採り上げ、偉大な母エリスのレパートリーを作品にすることは今までして来なかったマリア・ヒタ。没後30年の企画で全曲エリス・レジーナというショーを行ない、それがCD2枚組とDVDという作品に収められました。名盤の2nd と同じジャズのスキルを持ったメンバー、チアゴ・コスタ(p)、シルヴィーニョ・マズッカ(b)、クカ・テイシェラ(drs)にギターのダヴィ・モライスを加えた編成。チアゴ・コスタのヴィンテージなフェンダー・ローズの音色も相俟って、目を瞑って聴けば情感を籠めた唄声にお母さんと瓜二つの成分を感じさせます。インタープリーターとして曲の持つポテンシャルを目一杯引き出し、世に広めた功績、これはマリア・ヒタも存分に引き継いでおりますが、長年に渡りブラジルのスタンダードとなっている有名曲たち、”Arrastao"、"Agua de Marco"、 "O Bebado e a Equilibrista"、"Essa Mulher""Maria, Maria" "Madalena" ...これらを白い羽衣に身を包んで力一杯ソウルフルに表現するそのエネルギーに圧倒されます。 そのままカヴァーするだけではなく、2枚目のハイライトとなる"Zazueira"ではギター・リフにEW&F の"Brazilian Rhyme" を引用したり、続く"Alo, Alo, Marciano"ではノード・リードの音色に導かれてスカ・アレンジで披露するなど、現代的な解釈も至る所に見受けられます。ピアノをメインに据えて唄い上げる" Aprendendo a Jogar""Romaria"などは完全にマリア・ヒタのスタイル。トータルで28曲、リスナーの満足を保証する作品。
DVDはこちら↓
Maria Rita / Redescobrir Ao Vivo DVD (ブラジル直輸入盤 DVD all-region 3,400円税込)
以下、DVDの映像とは異なります。(レコ発ライヴのオーディエンス・ショット)