バイーアの生まれで女性だけの北東部ルーツ音楽のグループ -
コマドリ・フロジーニャを率いたことでも知られる女性アーチスト。以来サンパウロに活動の拠点をうつし、世界的に話題騒然となった1st 「Eu menti pra voce」でも北東部ルーツのシランダのリズムとバイリ・ファンキを混ぜたり、尖った表現を行なってきました。この2nd アルバムでは北東部ルーツ色を一掃、サーフ・ガレージにダブにアヴァンに、とまるで欧州のポピュラー音楽界でかつて見られたかのようなアート・ロックなパフォーマンスに終始、所々に顔を覗かせる可憐なポップ・センスが一層これらエッジの効き具合を際立たせます。歌詞も希望と死、孤独と愛、と相反するふたつを対比させ、言葉の面でもアーティスティックに迫ります。前作と同様にセウのバックなどでも知られるブルーノ・ブアルキ(drs) とマウ(b)、リズム隊の二人との共同プロデュースで、IRA! やアルナルド・アントゥネス、ブラジル版ゲンズブール・トリビュートなど至芸のエレクトリック・ギターを聴かせるエヂガルド・スカンドゥーハと、ポスト・ロックを咀嚼したバンド - シダダォン・インスチガードを率いるフェルナンド・カタタウの世代を超えたサイケデリックなギタリスト競演もあり、重要な位置を占めるギザードによるトランペットの嘶きが心の深層を掻き乱してくるよう。かと思えばユーモラスな一面もあり、と噛めば噛む程味わい深くなるブラジル産ロック・ポップ分野で指折のアルバムとなっています。