エルトン・メデイロス、パウリーニョ・ダ・ヴィオラ、ネルソン・サルジェント... 多くのサンビスタたちのバックでバンドリン奏者として、またアレンジャーやプロデューサーとしても活躍してきたアフォンソ・マシャード。リオを拠点に多くの舞台で、またカマ・ヂ・ガトーの一員として、ホベルト・メネスカルのバンドでも活躍する実力派女性シンガー - クラリッシ・グローヴァ。このふたり名義のアルバムが届きました。長いキャリアを誇るアフォンソ・マシャードが、ここでもギターを担当するルイズ・モウラや、カルリーニョス・ヴェルゲイロ、エルトン・メデイロス、パウロ・セーザル・ピニェイロ、詩で、曲で、共作を行なった楽曲のみを収録するという制作コンセプト。中には'80年に作られた"Ares de atriz"の再演というのもあります。先に入荷して来たパラフェルナリアでも活躍するトロンボーンのマーロン・セッチらが胸躍るビッグバンド調のホーンを聴かせるm-1 "Que tal ?" や、サンバのソシアル・ダンス - ガフィエイラの様式をみせるm-6 "Daquele Jeito" 、またはソフト・サンバの醍醐味が存分に詰まった m-3 "Na cara do gol" などの朗らかな雰囲気、一方でゆっくりとしたアンサンブルを背景に切なく唄い上げるm-2 "Boemio" やm-7 "Vida Boemio"、ショーロの響きに唄が載ったショーロ・カンサォン"m-4 Choraste" 、ヂルセウ・レイチのソプラノ・サックスを導入部に、ボサ・ノヴァの輝きを放つm-11 "toque" などなど、酸いも甘いも嗅ぎ分けたおとなの哀愁、ゆとりの佇まいが滲む好盤。