挑戦しつづけるフォルクローレ・アーチストとして名の通っているチャンゴ・ファリアス・ゴメスの'03年のアルバム。フォルクローレのアルバムというよりはM.P.A.のアルバムという印象を受ける。アタウアルパ・ユパンキの曲も取り上げているが、サンバのようにも聴こえるフルートやパーカッションにギターラを弾き語るサウダーデ感たっぷりの曲調が一変、次の曲ではフレットレス・ベースやE.ギターが登場し、カンドンベのリズムを基盤にした変拍子のファンキーなフュージョン・タッチ、そしてプログレッシヴな世界が現れる。1曲ごとに緻密にアレンジされた楽器編成、アクースティックとエレクトリックを往来し、円熟した味わい深い唄を聴かせてくれる。凝りに凝り捲ったライナー・ノーツのアート・ワークにも注目。