*16/12/16 売り切れました。
エルメート・パスコアルのバンドやトリオ・クリピーラのピアノ奏者でもあるアンドレ・マルケスが率いる吹奏楽オーケストラがヴィンテナ・ブラジレイラ。バイアォン、サンバ、マラカトゥ、様々なブラジルのルーツ・リズムを奏でる大編成のこのグループが壮大なインストゥルメンタル・アレンジに女性voのスキャットとジャズ・インプロヴィゼーションを加えて制作したミルトン・ナシメントの楽曲集を発表。
'75年サンパウロ生まれのアンドレ・マルケスはウィルソン・クリアのポピュラー・ピアノ研究所で学んだ後、ジンボ・トリオの設立したCLAMでアミルトン・ゴドイに師事、自身のトリオ・クルピーラでブエノス・アイレスのジャズ・フェスやロック・イン・リオにも出演、エルメートのバンドの鍵盤奏者としてはその言葉通り世界中を隈無く廻った経験の持ち主。このヴィンテナは若き23人のミュージシャンと共に、エルメートやイチベレの提唱するワーク・ショップ的手法でまったく新たなブラジル音楽を刻もうという試みが為されており、本作が3作目。S.S.W.としてノーヴォス・コンポジトーレス発の先鋭的な作品を発表している
ギー・シルヴェイラスが参加し、m-4"Cravo e canela+Maria tres filhos" やm-10"Testamento / Milagre dos peixes"で程よくアウト・オブ・ノートしたegを聴かせるほか、速いパッセージを吹きぬくそれぞれの管楽器とスキャットの役割分担、曲をメドレーで繋ぐことで生み出すエキセントリックな展開、どれも斬新で躍動しています。かと思えばシンガーのアナ・マルタの声を中心に、アカペラ・コーラスの編曲としたm-5"Meu veneno"もあり、m-6"Morro venho" のようにアンドレ・マルケスのソロ・ピアノのみのトラックも。そこかしこにリード楽器でジャズ・インプロヴィゼーションを挟み込むのですが、アンサンブルの下支えとなっている打楽器奏者もリズム上での冒険を繰り返し、既知の楽曲に新たな息吹を吹き込んでいます。ミルトン・ナシメント「Travessia」のアート・カヴァーにオマージュを贈った本作のグラフィックはダニ・グルジェルが担っています。
収録曲:
Aqui e o pais do futebol/Conversando no bar
Primeiro de maio
Cravo e canela/Maria tres filhos
Morro Velho
Cancao do sal
Meu veneno
Anima
Testamento/Milagre dos peixes
Os Povos
Cais
下記映像は本作収録曲とは異なりますが、サウンドの志向は近いと思います。