2023/11/17 プライスダウンしました。
現代音楽とブラジリアン・ジャズを自由に往来する印象派のピアノ兼ギター奏者
サンパウロ出身で、8歳からピアノを、そして16歳からギターを習得しはじめたニコラス・アブドですが、本作でオマージュを捧げられているギター奏者パウロ・マルテッリらに師事を受け、大学院では現代音楽の分野で有名なセルソ・モジョーラの作曲クラスを専攻しています。このアルバムでキャリア5作目となりますが、初期からバッハ、ブラームス、ベートーベンらの楽曲を再解釈してアルバムに収録、クラシカルな分野とコンテンポラリー・ジャズ、ブラジル・ポピュラー音楽を、そしてピアノとギターの双方をクロス・オーバーするというユニークな活動を行なってきました。m-2"Indifferent Animal With The Devil's Eyes"での大胆な引用でもわかる通り、クラシック音楽への敬愛を込めつつ、弦楽四重奏 (2vln, viola, cello) とヴィトール・フェヘイラのホルン、ヂエゴ・ペレイラのドラム、そして自身のピアノとギターという室内楽オーケストラ編成でドラマティックなインスト音楽を展開しています。コンセプトとしては、クラシックの巨匠グスタフ・マーラーや米ジャズのブラッド・メルドーらの創作物が持つダークサイド、影の部分に焦点を当てたということですが、各小曲の鮮やかなハーモニーや展開の節々にて、トンネルの先の光明のようなものを感じてしまうのは、ブラジルの音楽家ならではでしょうか。m-6にてヴィラ=ロボス作のシランダ"Que Lindos Olhos"をカヴァーしています。