アコースティック・ブラジル音楽の真骨頂、ドゥドゥ・スペルビの2022新作。ジゼリ・ヂ・サンチ、ヴィトール・ハミルほかゲスト参加。
ブラジル南東部ポルト・アレグリ出身で、1988年にカエターノ・ヴェローゾのレパートリーを用いたショーでプロ・キャリアをスタートさせてドゥドゥ・スペルビ。記憶に新しいところではギンガを迎えての共演盤「Navegante」を発表しています。6枚目となる本作では、自身の10数年の期間に渡り未発表となっている曲を俯瞰して再アレンジ、主にクラシックや室内楽にも造詣の深いギター奏者マルセル・エスチヴァレとの vo,g + g 編成でシンプルに、奥ゆかしく表現。大きな動きを見せる唄旋律と紡がれるギター、アンビエンスのみの素朴なフォーキー・トラックから、アナアヂィら複数のシンガーがゲスト参加した"quando será que será?"や、同郷出身ジゼリ・ヂ・サンチ参加の"a dádiva a vida dá" 、仏語歌詞の"miracle"、再びアナアヂィとの男女デュオを聞かせる"olha bem"などでは、気品漂う色香をみせ、 モザンピークをテーマにした"maçambique"では打楽器奏者ミンモ・フェヘイラらを迎えたアフロ・アコースティック音楽的なアプローチを、そして同郷のヴィトール・ハミルがハーモニウムやトーキング・ドラムを担うオリエンタルな"the spirit and the dust"まで、ドゥドゥ・スペルビの辿った音楽遍歴、現在・未来の意向がすべて詰まった入魂作。